大きな声が聞こえたり、 誰かが感情を爆発させているのを見ると、 心がギュッとなること、ありませんか。
それがもし、自分の家族だったり、 大切な人だったりすると、 なおさら、「なんとかしなきゃ」と焦ってしまいます。
どうにかして落ち着かせよう。 理屈で言い聞かせよう。
でも、そうすればするほど、 相手の嵐は激しくなって、 こちらもずぶ濡れになって、疲れ果ててしまう。
そんな経験、僕にもあります。
とある福祉業界の方が、 パニックや癇癪(かんしゃく)について、 こんなふうに話していたのがとても印象に残っています。
パニックは、「天気」みたいなものだと。
急に降り出した夕立や、 大型の台風に向かって、 「止まれ!」と叫ぶ人はいませんよね。
叫んでも、雨は止みません。 むしろ、外に出て無理やり止めようとすれば、 自分が怪我をしてしまいます。
だから、支援のプロであるスタッフさんたちは、 「通り過ぎるのを待つ」のだそうです。
これは、決して「見捨てる」とか「無視する」 ということではありません。
相手が暴風雨の中にいるときは、 安全な場所で、じっと心の傘をさして待つ。
嵐の中に飛び込んで、 一緒に巻き込まれて共倒れにならないように。 それが、長く付き合っていくための、 お互いを守る知恵なんですね。
「雨が止んだあと、どう声をかけるか」 本当に大事なのは、そこから。
嵐が去ったあとの空は、 普段よりも澄んで見えることがあります。
「雨降って地固まる」というように、 嵐をやり過ごしたあとの方が、 以前より少しだけ、信頼関係が深まっていることもある。
もし、近くで誰かの心の天気が崩れても、 「ああ、いまは雨雲が通っているんだな」 そう思って、少し距離をとって傘をひらく。
そんな心の余裕を、 僕も持てたらいいなと思います。
ゴリアス


